2013-05-20 詩(虹) 霧雨が野づらを濡らしてる ぼんやりと明るい空だ 男は夢見るように歩いている いつからか 大きくて黄色い蝶が 上空で羽ばたいている それはまるで 迷っている魂のよう その柔らかい羽音は 男の頭上を離れない 夢を吸い取るように 虹が浮かんだ ゆっくりと 日が傾き 遠い山脈が燃える いつか雨が止んで 静かな夕暮れが広がった 野原の石に腰掛けて 男はきれいな空気を吸っている 魂はその肩で眠っている