詩(虹)

霧雨が野づらを濡らしてる
ぼんやりと明るい空だ
男は夢見るように歩いている


いつからか
大きくて黄色い蝶が
上空で羽ばたいている
それはまるで
迷っている魂のよう
その柔らかい羽音は
男の頭上を離れない


夢を吸い取るように
虹が浮かんだ
ゆっくりと
日が傾き
遠い山脈が燃える


いつか雨が止んで
静かな夕暮れが広がった
野原の石に腰掛けて
男はきれいな空気を吸っている
魂はその肩で眠っている