明るい木立のなかで ぼくらは出会った どこかで見たような顔だつた ーこんにちは 知り合いではないが ぼくらは声を交わす すれ違ったとき 互いのリュックがぎいぎいきしんだ 振り返ると 下りて行く赤い帽子が 木立のあいだに見え隠れする どこかで見たような…
見渡すかぎりの視界に 転がっているテレビ 洗濯機や冷蔵庫はては 風に捲れ上がるビニールや新聞紙 この見捨てられた 堆積の中で 君には聞こえないか あの気違いじみた声を 風に飛ばされた ぼろ切れのように 空を舞う 数百の黒い烏の声を この光景の背後には …
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