2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

詩(7)

追 憶 例の奇妙な鳥がやってきたら 尋ねよう 昔去ったあの人のこと ここでいつからか 私は仕事に追われてる 手は鉛のように重くなり そのうち地面に届くだろう いったい ここはどこなのか 誰かの墓標の上で あの鳥が鳴いている 長いくちばし しわがれた頬 笑…

詩(6)

花 火 花火があがると 口の中が明るくなる 娘は浴衣で 男の暗いシルエットに触る 広場の片隅でしゃくった金魚 その眼は大きかった 黙っているとふくれだし ものを言えば沈んだ 家へ帰った娘は ひとりじっとしゃがんでいる - 夕 暮 夕暮れのなかで 沢山の人の…

詩(5)

憂 悶 眼をあけると おまえの黒い目が私を見詰めていた 乳房の谷間から 青い空が見える 高い空を きれいな草花や 小鳥たちが飛んでいた 風に混じって みんな忙しげに歌いながら 手を伸ばして おまえの黒い髪に触ろうとした 寒いわと おまえは身を震わせる そ…