眼が覚めると爽快な気分だった。あらためて昨夜のことを思いだして窓を見たが、そこには清ら かな朝日が射しこんでいるばかりで、なめくじたちは影も形もなかった。すぐ外に「希望ホテル」 と書かれた四角な塔が立っていたが、そのテッペンには小さな蛇が日…
君には信じられないかも知れないけど、僕はこの三日の間あの山の中にいたんだよ。ここから見 ればただ白い雪に埋もれているあそこには、ここにいる誰も知らない街がある。 いかにも行いすました様子で下宿の籐椅子から窓の外へ眼をやっているのは、私の古く…
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