2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

詩(工場)

工 場 草の茂った丘を のぼって行くと 下の作業場の 窓から見上げる娘と 目が合った娘の両わきで 若い二人の男が くすりと笑う (あれはただの幻覚だったのか) 木洩れ陽がゆれて さっと風が過ぎると 人影が消え もう窓には誰も居ない昔からそこにある 小さ…

詩(あやかしの森)

あやかしの森 オレンジ色の壁には クリムトの絵ーもちろん複製の 仰向いた女の顔が懸かっていて 閉じたガラス窓の内側で ディスクの音楽は嫋嫋と鳴り渡り いつか 見知らぬ森の中を歩いていた碁盤の目状の 一定の間隔をおいて 整然と立ち並ぶ樹々 そこは風の…