2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ふなとはしくい

子供のころから一人ぼんやり過ごしがちだった私は、よく鮒釣りをしていた。家の裏がすぐ深い堀になっていたこともあって、ごみ溜めをあさり、みみずを見付けて釣糸を垂れるには、何の雑作もいらないことだった。 冬の朝、まだもやの立ちこめる水面の浮標をじ…

糸と石炭

佐賀市内のなかほど、松原川の清流のそばに、楠の大木にかこまれた松原神社がある。この神社は、藩祖鍋島直茂公を祭神として、安永元年(一七七二)に建立されたものだが、今でも佐賀市民からは、日峯さん(直茂の法号)と呼ばれて親しまれている社である。 …

洋学と大砲

明治という時代は、江戸末期の黒船以後の動乱の時に生きた人たちが生みだした時代である。 当佐賀でいえば、藩主鍋島直正、直大をはじめとして、大隈重信、江藤新平、蘭学者の伊東玄朴、佐野常民などの先覚者がそれにあたる人たちである。 佐賀はもともと旧…