2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

詩(青蛙)

雨の日は のど震わせて 鳴きしきる雨蛙も かんかん照りの日は 声もなく 日陰の葉に張り付いて まったく動かない 枝を揺すっても 飾り物の緑の陶器のように どこ吹く風 指で突くと せっかく寝てたのにと いやいや動いて ぽとりと地面に落ちる その様子 まるで…

詩(船着場)

いつのまにか 二人だけになっていた どこか迷路じみた 故郷の田舎 曲がりくねった あぜ道を辿り 狭い江湖を舟で遡っていくと 岸の葦がさらさらこすれ おまえは絶えず笑っていた (あれはいつのことだったか?) 舟着き場につくと 道端に並ぶ黒い影 ー目鼻の…