チーコと私の病床日誌(3)

25年9月16日、長男、次男の布団干し。洗濯。
9月17日、2時ごろ、久し振りのラーメンを食べるが、気分が悪くなり、土間に倒れ、吐いてしまった。その時、幸い客は誰も居なかったが、女性の店員が親切にしてくれ、家に連絡しようかと言ってくれたが、大丈夫と、車を運転して帰った。
9月18日、洗濯物干し。1時過ぎから病院へ。二人分の入院費21万円を支払う。妻はベッドに居て、私を見て涙を流さんばかりに喜ぶ。水羊糞を食べさせ、トイレの後、病院内と外を回る。エレベーターの前で院長と出会い、妻の手の具合を聞く。長引くとのこと。その後、妻のリハビリを見学、ベッドに連れて行き、話をする。家に帰って、医療関係の領収書を整理。
9月19日、妻の洗濯物を外に干す。部屋の全面的掃除。市役所に電話。妻の高額医療費にっいては、申請の必要なしとのこと。車で出て、あと、F整骨院に行くが、開いていない。森林公園の中を一人で歩く。
9月20日、首の具合も大分良くなってきた。 6時過ぎ、病院に行き、妻の食事中傍に座る。その後、クローバーの会へ行くが、妻は帰る帰るというので、部屋まで連れて行かねばと思ったが、介護婦が気をを利かせて、エレペーターの前でバイバイして別れる。
9月22日、11時過ぎ、家の隣の娘からの花を届けに行く。
9月24日、車の確認に県税事務所から来る。
9月25日、昼前、病院へ、リハビリ室に菓子を贈る。花は事務室の前へ置く。今日は妻の機嫌が良い。例によって玄関の外に連れ出し、部屋でお菓子を食べさせる。あまり沢山食べるので、びっくりする。その後人浴。入浴しないと駄々を握ねるが、介護婦が連れて行く。洗濯物を持って帰る。
9月27日、昼過ぎ病院へ。事務室にいる。淋しい淋しいと手を握り締めて離さない。玄関から外に連れ出し、アイスクリームを食べさせる。あと部屋でゼリーを。午後のリハビリが無いので、ずっと部屋にいて、話をする。5時の食事前に帰る。
9月29日、スーパーで買ったカレーを近くの公園で食べ、昼過ぎから病院へ。車椅子を押して、3回ほど外に出る。甘いもの、おはぎ、団子次々に食べる。疲れた。
9月30日、妻の友人のSさんを乗せて、12時半病院へ。3時クローバーの会のため帰る。 7時半にまた病院へ。 トイレに連れて行き、8時半〜9時まで、眠るまで傍にいる。
10月2日、給食センターからの配達の弁当がうまくない。モラージュに行って、昼食。何もする気になれない。
10月3日、11時病院へ。外に連れ出し、コーヒーとお菓子。妻の昼食後、売店で買ったカレーライスを食堂で食べる。妻を交えSはるかちゃんと話す。その後、クローバーの会に参加して、3時までいる。
10月5日(土)、10時半病院へ。プリンを食べさせるが、団子が食べたいというので、妻のリハビリ中にスーパーに買いに行く。昼食中、医師に面接、11月をめどに、グループホームに入ることを勧められる。(妻は介護4と認定された)。帰宅後、風呂、食事。その後、テレビで、盲目のピアノ演奏家辻井くんの演奏を聴く。素晴らしかった。何よりも、彼の明るい表情がいい。
10月8日、午後から病院へ。妻と老人ホームについて話し合う。私と一緒になら入ると言う。気持ちは分かるが、妻を自宅で、介護出来る自信はない。家の管理もどうするか。 
10月11日、12時半病院へ。千鶴子は老人ホームに入らなければいけないなら入ると言う。集団生活も、以前寄宿舎に入ったことがあるので、気にならない。合わせていくことは出来ると言う。妻用のアルバムを作ろうと思う。
10月12日、今日で3日続き病院へ。Sさんもケーキを持って来る。老人ホームのこと。二人一緒に入り、途中で一人になってもいいと言う。
10月13日、老人ホーム入居の件で、長男から電話。
10月14日(祝)、10時過ぎ、病院へ。妻は穏やか。老人ホームの話をする。リハビリ中の写真を撮る。
10月16日、11時半病院へ。相談員からK町にあるケアホームを紹介され見学に行く。病院の経営で悪くはない。家具の持ち込みも出来るとのこと。
10月17日、10時半病院へ。9月分約8万円を納付。相談員と院長に会い、ケアホームに好印象を待ったことを伝える。その後、クローバーの会にいる妻に会い、老人ホームのことを話す。これまでどうり二人で、と言うが、入ることには納得しているようだ。車に乗せる試験をしたが、失敗。ホームを見せる外出は難しい。
10月18日、10時半ケアホームDの女事務員に入所申込書を託す。22日に、S経営病院で受診予定。
10月22日(火)、8時半に病院へ。妻を福祉タクシーに乗せ、S病院まで。受診結果は可。その後、妻とDケアホームの中を見て、ホームの人とも話をする。あと、自宅に寄り、外から家を見て、K病院へ帰る。
10月23日、相談員から退院日の件で電話。 30日か31日の予定。
10月24日、退院は31日に決定。病院へ行き、昼食を一緒に食べる。
10月25日、県病院受診。
10月26日(土)、Dホームに箪笥を運ぶ。K病院へ、次男と電話で話す。
10月28日、洗濯物届け。
10月29日、昼過ぎ病院へ。 リハビリ後もなかなか帰れない。クローバーの会、血圧が高い。
10月30日、身の回りの小物をホームに運ぶ。
10月31日、9時半にK病院へ。10時、福祉タクシーで妻をホームへ。私は、車に荷物を積んですぐ後から行く。昼食まで居る。
11月3日、部屋全部の掃除。長男と長男の次女が夕方5時に着く。
11月4日、長男だちとともに妻の見舞い。その後、長男たちは、吉野ケ里、夜の係留バルーンを見て、帰宅は9時過ぎになる。
11月5日、長男たちは昼前に妻の見舞い。私は、約束していた郵便局へ行き、定額の手続き。Dホームに帰り、長男たちを迎えに、森林公園へ。そのまま車で駅へ行き、バスを見送る。
11月6日、今日は1日家に居る。次男が切った木の端を運ぶ慣れない作業に疲れ、4時に風呂に入る。
11月8日、シーツを干し、午後ホームへ。妹が後で来る。妻は、機嫌よく普通と変らない。
11月10日、10時過ぎ、昨日メガネ市場で買った老眼鏡とジンジャーの花を届ける。もみじ饅頭を食べたあと、トイレと言うので、連れて行く。大便半分程度。人を責めるのは相変わらず。
11月12日、次男から電話。来週帰るとのこと。
11月14日、庭の手入れ。夕方、冬のチョッキと柿を持ってホームヘ。 5時の夕食後も話をする。院長が帰ってもいいと言ったと言う。 8時ごろ帰る。
11月17日、夕方行く。次男に電話。火曜に帰るというので、水、木曜を予定して、帰宅申請書を出す。
11月20日(水)、昨夜着いた次男と10時半ホームへ。妻と車椅子を乗せて家へ。昼食を一緒に摂る。夜食も三人で。助けは要るが、トイレに歩いて行けるので嬉しい。10時ごろ一緒に就寝。夜中はぐっすり眠ったが、朝6時に起きて3度ほどトイレに連れて行く。
11月21日、朝食後、私に寄りかかってテレビを観て過ごす。1時半、車に乗せ、森林公園へ。コンビニの弁当を食べ、車椅子での散歩。2時半ホームへ。職員はみんな笑顔で迎えて呉れた。 3時、次男を駅まで送る。
11月23日、布団を干し。シーツを洗濯して干す。先日、妻の一時帰宅でばたばたしていた時、かかった電話のことで、友人のI君に電話する。
11月30日、10時半、ホームに行くと、妻はまだ、意識が朦朧としている。ベットに座らせて、抱き、背中をさすって,約1時間半。それからやっと食事に行く。
12月1日、朝10時半、ホームへ。妻はまだ眠そうでふらふらしているので、ベットで眠らせる。昼食だと、介護員が連れにきたが、そのまま寝かせておく。睡眠剤が強すぎるのではないかと注意する。
12月3日、昼過ぎて3時にホームへ行く。管理者のM氏の話によると、妻は、机を叩くだけでなく、人の頭を叩くらしい。精神安定剤はそのためだという。体面上、みんなの前で本人を叱るが、妻は覚えがないと言う。部屋では、「淋しい」「毎日来るといいながら」と責める。誰だって淋しいよ。姉も妹も、ここだって、みんな一人暮らしばかりじゃないか。妻も早く一人の暮らし方を憶えないと‥‥。
12月5日、10時半、ホームへ。果物セット、おはぎ、口の中に押し込むように食べる。食べることだけが楽しみのよう。
12月7日、10時半、ホームへ。いつもの手招き。部屋で桜餅を食べる。携帯を渡して長男と話をする。車椅子からベットに座らせ、肩や手を揉む。左側が動くようになったら!。
12月9日、10時半、りんご、ポッキー、生八橋。
12月11日、10時半、豚万、あんまん。介護婦の一人から、こっそり、リハビリ病棟への転居を薦められる。
12月13日、10時半、広島の姉からの紅葉饅頭を8個ぱくぱく。胃が強いからいいけど。あと、車椅子でうとうと。
12月14日、リハビリ病棟を見学。リハビリ室や、4人2人部屋を見せてもらう。一人部屋は淋しがる。
12月15日(日)晴。府中からのお菓子と冬のセーターを持っていく。府中からの手紙を読み聞かせる。
12月17日、曇り後雨、お菓子をと言うが、最初にマグネタイザーを肩と首に当てる。その後、紅葉饅頭を4個。眠くなったのか、首を垂れている。みんなが居る食堂に連れて行く。
12月19日(木)、朝寒く、昼からホームへ。妻にリハビリ病棟のことを話す。行ってもいいと言うが、せっかくここに慣れたのにとも言う。移転は明けてから考えよう。
12月21日、昼からホームへ。今日は、3時から、毎月恒例会の誕生会があった。職員がクリスマスのサンタクロースになって、ひざ掛けを配った。
12月23日、10時半ホームへ。マグネタイザーを当ててから、お菓子、家から持参したコーヒーを飲ませる。友人のSさんが午後から行ったとのこと。
12月25日(水)晴、洗濯物を取り込んで、1時半からホームへ。お菓子の後、車椅子の束縛(職員の話では、急に立ち上がって転ばないための予防とのこと)を解き、立つ訓練。表情が良く、太ってきたようだ。
12月27日(金)、朝ごみ出し。センターの弁当を食べてから、1時頃ホームへ。コーヒーと紅葉饅頭、フルーツジェリー。そんなにせかせか食べないで。ゆっくりでいいよ。廊下で手摺り伝いに、歩く練習。
12月29日、昼過ぎから、妻のところへ。例によって、口の中に押し込むようにして食べる。せっかちなのだろう。ここでも、よく云われるという。廊下で歩く練習。
12月31日(火)昼過ぎからホームへ。お菓子とコーヒーの後、廊下で歩く練習。手摺り伝いに10メートル位は歩く。疲れたというが、表情は明るく、言葉もはっきりと大きい。帰りに森林公園内を歩く。次男から屠蘇の造り方を聞く電話。H子は、実家へ正月料理を作りに帰っているという。夜、テレビでクラシックを聴く。音楽の旋律はじかに生命とつながっている。