チーコと私の卒業日誌(168)

6月1日、朝10時、紫陽花と花菖蒲を瓶に活け、施設に行く。介護婦が「ほら盛恒さんよ」と云い、妻もガラスの向こうからこっちを見るが、あまり反応はない。元気そうではあるが。昼3時から庭作業。最初に前植えたつつじの葉がしぼんでいる原因を見るため掘ってみたら、側の松の根と這い竹の根が出てきたので、両方とも切って見る。今日は、地区の民生委員さんと学会の人の訪問があった。あと、庭に出てきた竹と、葉が大きい芝生に除草剤の薬をかけて5時に終わる。

4日、午前中、スーパーで焼酎一合を買い、家で摂れたs梅を漬ける。4~5日前蜂蜜につけた梅は大丈夫。明日は雨。昼3時半~6時庭仕事。夜、長男から電話。

5日、朝、パソコンで長男が作った動画作りの解説書「自分で作る」を見る。ひところ宮崎駿監督の映画「もののけ姫」「となりのととろ」「千と千尋の神隠し」など面白かったが、今の若い人達の間でこんな事をしている人もいるのかな。ゆうちゅうぶ等にも時々見るが、物語の筋建てに心に響くものがない。日本昔話などは見ているが、なにしろ昔の伝説だからね。

6日、夕方、長男から電話があり、もう一度、解説書を見直す。要は紙に書いた漫画を動画にする方法なのか。二次元の世界のものを三次元の世界で生きて動いているようにする方法なわけだろうが、人形を歩かせるだけでも訓練が大変のようだ。それに、顔の表情などの変化がその方程式で表現できるのだろうか。紙に描いた絵がぱらぱら漫画のように動いて見えるには、あとどんな仕掛けが要るのだろう。分からない。

9日、昼3時半から作業。北畑に伸びかかった萱を鍬で根から掘り取り、マンションとの境にリョウブと椿を植える。今年は少ない雨が来週降るようだ。長男からメールがあったよう。どんな作業をしているのか分からないが、成功を祈る。庭では今、あちこち桃色の夏水仙が美しい。

12日、昼3時から庭仕事。今日は、北畑マンションとの境に紫陽花や名の分からぬ木を植え、6時半に上がる。明日は雨。

15日、午前10時、森病院でいつもの薬と好生館の意見でリクシアナという血液をサラサラにする薬の処方を受ける。スーパーで買い物して家で昼食。その後、表の竹生垣の剪定。いつも2回に分けてしていたが、今日は風向きも良く、5時半までに終わる。

19日、昼から庭仕事。今日は南隣から入口が見えるようにさんしゅうの木を丸坊主にして、入り口の雪柳も小さくした。6時に終わる。明日から梅雨入り。

21日、(小雨)朝8時半に近所の歯医者に行き、9時半に帰って近くのゴミ集積場にバケツの水と箒を持って行くと、まだ「燃えるゴミ」がある。台所のくずも入っているので厭な匂いがする。今日は掃除当番。いつもは9時過ぎに収集に来るがと思い、10時頃清掃センターに電話。その後、前のSさんに声をかけ、自治会長にも連絡する。ごみは12時45分頃取りに来て、Sさんがバケツと箒を持ってきてくれた。

22日、外に干した洗濯物が湿度が多く、なかなか乾かない。午後4時頃から7時前まで、剪定などの庭仕事。

24日(金)、朝、施設に電話をかけてから、又、庭のアジサイを持って行く。ガラス越しの妻は元気そうだが、笑顔も見せないし、手も振らない。ああ俺は何のために生きているんだろうと思ってしまう。介護婦がそばで教えているのに。

25日、雨、夕方、寝室に布団を敷きに行ったところ、床の間の掛け軸が落ちていた。母が昭和49年に亡くなり、50年、千鶴子が父の寝室として作らせた部屋だが、当時から、この雪に雀の掛け軸を懸けていた。紐を接着剤で繋ぎ、糸で補強してかけ直す。さて、あと何年持つか。