チーコと私の病床日誌(39)

2月18日(木)曇後晴。昼過ぎホームへ。妻至って元気。梅の花など見向きもせずに、お菓子類をぱくぱく。部屋に置いたままの(自分では開かない)写真集を見せると、お茶の友達の名前を言う。これは誰かなと考えている様子もあるが、近所のSさんの名は忘れている。桜が咲いたら、また、管理人のMさんに外出届けをお願いして、車で行こうねと言ったのは覚えていて、帰り際に「ほらMさん,居るよ」と言うが‥‥。チーコ、まだ、先の話ですよ。
2月21日(日)晴、近頃は、暗いニュースばかりで、テレビもあまり見たくない。どこそこで、人の死体が見つかったとか、人種、宗教紛争で何人殺されたとか、嫌な報道ばかり。どんなに衝撃的な事件であろうと、凄惨な事件を微に入り細に入り、伝えることも報道の使命だろうか?
この地上に住むほとんどの人は、普通に善良な生活を送っているだろうに、こうした穢れた事件を知ることで、嫌な気分になり、人間不信の感情を募らせるようなことになるやも知れない。警察には当番の記者がいて、取調べの経過を順次公表するのだが、被害者を独自に取材する場合もある。保障されている知る権利が、読者獲得のための道具に使われているのではないか。とも思う