チーコと私の病床日誌(38)

2月14日(日)。昨夕の激しい雨は上がったが、曇ってうすら寒い。昨日の残り湯で下着や靴下を洗濯して、エヤコンで乾かす。冷蔵庫の中の弁当をレンジで温めて食べる。コーヒーを飲み、卓上の椿の花に話しかける。「お前たちも生きてるなら、少しは話でもしたらどうだい」。
2月15日朝、若い頃の夢を見た。新聞社のバイトの帰り道。城の楼上から白い靄が流れ落ちている。深く澄んだ堀の水の中を覗くと、石の間から、緑色の大蛇が5匹ほどゆらゆら首を伸ばしている。外は朝から粉雪が舞っている。
夜テレビで、都会の老人を地方に移住させる外国型のCCRCが、日本では駄目になっているという話を聞いた。北九州市では、今まである空き家を活用しているし、最初は開発型だった朝倉市の団地も、若い世代を呼び込んで元気を取り戻しつつあるという。何も無いところで、急に新しい町をつくるのは、簡単なことではあるまい。
2月16日、今朝は、文学仲間と険しい山に登っている夢を見た。朝食を摂りながら、見る、昨日、活けた梅の花。寒い中、ただ、ひたすら咲くことだけを考える花の命のことを思う。