チーコと私の病床日誌(85)

2月16日(木)昼から、梅の花と御菓子を持ってホームへ。妻と会うのは半月ぶりだが、それほど待っていた様子ではないので一安心。花を活け、次男から送ってきた孫の写真を見せると、「かわいいね、○○に似てるね」と子の名を言うが、独り家で暮らす私の話にはあまり関心がないようで、やはり御菓子の催促。大部屋に連れて行き、前の席のおばあさんに「孫です」と写真を見せると、こっちの方は目を輝かせて喜んでくれる。
2月20日(月)昨夜の、NHKのプラネットアースでは、地上に暮らす動物たちの、食いつ食われつの過酷な暮らしが描かれていた。人間も動物の種だから、自分の領域が侵されれば、お互い、殺しあうのは自然の摂理かもしれないが、幸い「人権」という理念で守られている。生命が大切なのは、人間だけではないのだが‥‥。お前は、肉を食べないか。ゴキブリが好きかと訊かれたら、答えようが無い。色んなところで、人間は矛盾を抱えている。
2月21日(火)この頃、職場に遅れそうであせる夢をよく見る。起床8時半。花瓶に活けた梅の花の香り。昨日はわざわざジャスコまで行っておかずを買ってきたので、久しぶりに米を炊く。
2月23日(木)家では、「詰まらん」「馬鹿やろう」とずっと独り言ばかり言っている。チーコが居ないと、何もする気になれない。何をしても面白くない。ホームで妻に会いたいが、又、がっかりするのは目に見えている。独身の頃はまだ、母が居たし、希望が自分を支えていたが、今は何もない。