チーコと私の病床日誌(31)

1月7日(木)曇時に晴。12時前S病院へ。森林公園の北駐車場で、スーパーの弁当を食べ、12時半ホームへ行く。職員から、妻の着る洋服が、キツく着せ難いので、もう少しゆったしたものをとの注文。部屋に白椿の花を活け、何か食べたいと言うので、ポケットの紅葉饅頭を小さくちぎってあげる。家に来た年賀状を見せると、それぞれの名前(京都のお茶の座主の名も)を良く覚えていて、生き生きした表情になる。ひとつひとつ葉書を丁寧に私が読む。返事を書かないと、と言うので、もう出したからと安心させる。
妻が、自分はいつまでここに居るのかと聞くので、足が直らないとね、と答える。歩いてるよと言うが、ベッドの枠に掴まらせても立てない。
家に帰り、ご飯に湯をかけて食べていると、なんだか、今の壊れた生活が情けなくなり、茶碗を放りだしたいような気分になる。テレビも見たくないので、パソコンを開き、フリーセルのゲームをする。その達成感で多少救われる。
1月11日(月)曇ときに晴。今日は、洗濯物を室内のエヤコンを使って乾す。庭は時に薄日が射すだけで、寒々としている。茨城の次男の新築祝いは、賑わいだろうか。長男は東京のマンションに定着しているし、子供たちは、もうここには、戻っては来ないのだろう。私が管理出来なくなったら、ここは、どうなるのだろう。亡き母は、ここは公園にでもなったらいいね、と言っていたが。