チーコと私の病床日誌(20)

10月14日、晴、午前中、玄関前の小木に巻きついた蔦類を引き剥がしているうち、だんだん本掛かりに。おかげで、ざくろの木やモッコウ薔薇の剪定も出来、鬱陶しかったこのあたり、幾らかすっきりなった。
10月15日(木)晴、午前11時前、S病院で受診。午後2時から、ホームへ。妻は元気で、発音もはっきりしている。顔色もいいし、感情の表現もある。3時、S病院のほうへ行き、ペースメーカー点検の件で打ち合わせる。こんどの点検は、県立病院ではなく、ここの病院でしてもらうことにした。また、事務員に、妻にマッサージ機の利用が出来ないものか、相談する。
10月16日(金)晴、10時半、市役所に行き、忘れていた身体障害者の受給者証の更新の申請をする。
10月19日(月)晴、朝9時から16時まで、庭木の剪定と竹生垣の整理。この頃はよく晴天が続く。表に居た時、自転車で通りかかったSさんと、妻のことや、川掃除のことで話をする。彼もめっきり白髪が増えた。昼からは、一休みのとき、孫を連れて帰る隣のTさんと顔を合わせた。よちよち歩きの男の子に、どこまで行ったのか訊くと、来た方を指差して、あーあー言うだけだが、眼が澄んでいて可愛らしい。遠い昔、私が小さい頃、隣の子と、堀で泳いだりして遊んだことを懐かしく思い出す。
10月20日、晴、スーパーの弁当ばかり食べているので、燃えるごみがよく溜まる。今日は、9時過ぎ、ごみ集積所の掃除当番。
10月22日(木)晴、朝9時から昼まで庭仕事。シャワーを浴び、1時半から、ホームへ行く。今日は、ここで捕り物があって怖かったと妻が言う。例によって、お菓子、果物(洋梨、柿)などを次々食べる。私の昼食のおむすびも半分は食べた。もう無いかと言うので、何を食べたか覚えている?と訊くと、饅頭だけは、覚えていた。薬のココナッツオイルを飲ませ、自伝を読んで聞かせていると、介護婦がタオルを抱えて来たので、今日ここで何かあったのか、聞いてみるとそんなことは無いと言う。怖い夢でも見たのだろうか。自伝を読んだ続きに、結婚してからは、大変だったね、と言うと、お父さんがね、と答えた。(父の晩年は認知症がひどく、眠れない夜が続いた)。木曜を覚えておいてね。と念を押して3時に帰る。