チーコと私の病床日誌(96)

6月20日(火)年を取った為か、足を引きずっている為か、近頃、他人から奇妙な目で見られていることに気付くことがある。
人間という生き物は厄介な動物だ。何もせずにじっとしている時でも、情動が自分を駆り立てる。原因は、心が生み出した「不安」「欲望」「欠乏」等々。ただの動物は、腹いっぱいの食べ物で満足するのだが、人間はそれだけでは済まない。なにしろ想像力があるので、余計なことを考える。鬱積した気分の発散のために、人間はしなくていいことをする。他人を羨み、情報に一喜一憂し、自分の未来を占おうとする。私はこれまで、おのれが生み出した不安と欲望に苛まれて生きてきたが。今の私には、何もない。
6月22日(木)多少膝の痛みを感じるが、3時頃から、車横の竹生垣の剪定をする。
6月24日(土)今日から雨、昨夜の風呂をやめたためか、今朝の膝の調子はいい。テレビの上の、赤ん坊の写真に、いつものように「草太郎、元気か」と声をかける。
6月27日(火)時々小雨、今日は一日テレビ(絵の展覧会、映画の歴史、満州からの引揚げ等)をを見て過ごす。
6月28日〔水)曇、午後0時から、近くのスーパーに行き、弁当を2つ買って、1つは食堂で食べ、後は菓子などと一緒に持って帰る。午後4時から、道の見通しが悪い北隅の竹生垣を剪定。