チーコと私の病床日誌(69)

8月25日、晴、午後3時半から、表の笹の裏側を剪定する。もう大部分日陰になっているが、まだ暑い。片付けるのを半分残して6時に上がる。シャワーを浴び、パソコンの前に座っていると、次男から見舞いの電話がかかってきた。台風の被害はなさそうだ。
8月27日(土)明日から雨とのことで、朝、シーツとケットを洗濯して干す。その後、午後2時から5時まで、笹の剪定と後片付けをする。
8月28日(日)朝から久しぶりに雨。気温も27度に下がって、庭の植物も生き返り、人間も一息つく。
8月29日(月)朝の血圧121。近頃高かったのが改善した。チーコとの別居生活で、楽しいことはまるでないが、兎に角も健康で、まわりに迷惑をかけることなく、生きていることに感謝する。
8月30日(火)午後3時からホームへ。今日は何か用事だった?といつもは手をにぎりしめて離さない妻が言う。部屋では、何か持ってきた?といつもの一言。この前言われていた、(コンビニで買ってきたが)お握りを喉に詰まらせないよう食べさせる。ここでは、退屈じゃないね。と聞いても、退屈じゃないと言う。元気そうだが、表情があまりない。どうもいつもと違う。今、何を食べたか、思い出せないのに、もうないね。としっこく言うので、駐車場に連れ出したが、風が強いからとすぐに戻る。部屋で、写真帳をめくる。さすがに、お茶や食改善、声のテープなどの写真には、人の名前はあまり思いだせないものの、記憶が鮮明になるようだ。チーコは文字などははっきり認識できるが、ここに入る前のK病院の記憶がなく、母がまだ生きていて、熊の川の家がまだ在ると思ったり、比較的古い記憶も無い。チーコの頭の中はどうなっているのだろうか、と思いながら。5時の食事前に別れる。

さるすべり