チーコと私の病床日誌(6)

26年3月2日(日)、12時過ぎ、あせびの花と菜の花を持って、ホームへ。食堂で、楽しそうに話している妻に安心する。お握り、ぜんざい。暖かくなったら、外出許可を貰い、家に帰ろうと約束する。嬉しそうだった。
3月4日(火)曇、12時頃、ホームへ。お握り、焼きプリン。話をしていて、忘れっぽくなっていることに気づく。痴呆症が進行しているのか。足を揉み、歩く運動。次男に電話して話をさせる。日記を書かせ、2時頃帰る。
3月6日(水)、午前中、自転車でM病院で診察、血圧の薬を貰う。12時頃、車でホームへ。漬物、お握り、丸ボーロ。長男に電話して話をさせる。歩行訓練。膝が曲がった妻を見ていると、悲しくなる。2時半頃帰る。
3月8日(土)、12時過ぎホームへ。あんころ餅。広島の姉に電話する。私は慣れているが、姉は少しおかしいと言う。やはり、そうだろうか。妻と色々話をして2時頃帰る。やはり、一時帰宅を心待ちにしているようだ。
3月11日、晴、12時過ぎ、ホームに行くと、管理者のMさんから、歯医者に連れて行って貰ったところだった。麻酔が取れたので、丸ボーロなど食べる。リハビリをして、2時半頃家に着くと、前のSさんから花を貰ったので、また、ホームに行き、職員の人に渡す。皆、きれい、きれいとはしゃぐので、食堂に置いて貰うことにする。
3月13日(木)車検から車が戻ってきた。12時過ぎホームへ。いつものように、元気で手招きする。饅頭と丸ボーロ。色々話してると、この次から、ここで写真の整理を一緒にしようと言う。
3月15日(土)丸ボーロ、羊羹。昨日、Mプリントに原稿を渡したと報告(以前から、妻は私に詩集を出すように薦めていた)。写真の整理をしようと、持っていったが、妻はちらちら見るだけ。あきっぽいのか、忘れているのか。結局、写真は持ち帰る。
3月17日、晴、10時半にホームへ。妻は大部屋のテーブルに頭を付けて眠っている。部屋で、お握り、生八橋、いちご。廊下で、歩く練習の時、途中で疲れ、あわてて車椅子を持って来る。妻は、リハビリの施設がある棟には行きたくない。ここがいいと言う。昼まで居て、帰り、庭仕事をする。
3月19日(水)曇、12時に行く。お握り、丸ボーロなど。花が枯れているので、一度家に帰り、桜の枝と雪柳を持って、再度ホームへ。
3月21日(金)11時に行く。お握り、どら焼き、何でも良く食べる。次男の結婚式の写真も見せるが、ろくすっぽ見やしない。これからは、あまり食べるものは持っていかないようにしよう。太りすぎて、病気になったら困る。
3月23日(日)晴、昼作業して、夜6時半に行く。ホームでは、夕食が済んだ後で、妻は、他の入居者のおばあさんと、にこやかに話している。昼間はまだ眠そうにしているのに、夜は違うよう。顔色もよく、活気もあるし、発音もはっきりしている。8時前に帰る。
3月25日(火)雨。4時半〜6時ホーム。1日おきに行っているのに、妻はいつも、いつ来るかとドアの傍で待っているという。食堂でいつもの通り座っていればいいからというが、(私が分からないといけないから)と言う。悲しい。
3月27日、昼前に行くと、眠そうにしている。母親の夢を見て、その声がまだ、耳にはっきり残っていると言う。帰りにグッデイで、家の廊下とトイレにつける手摺りを買う。
3月29日、10時半に行くと、食堂のテーブルに突っ伏して、眠っている。傍に行って起こす。トイレに手摺りをつけたと言うと、いつでも帰れるねと喜ぶ。
3月31日(月)曇、10時40分頃ホームへ。家で取れた南瓜の煮付けと弁当を持って行き、部屋で一緒に食べる。足を揉んで、伸ばそうとするが、痛いと言うので止める。元どうりになりたくないのだろうか。この日記は、今後、特別なことがあった時だけ書くことにする。