暑い夜

夜空に濃密な大気が流れ
水飴状にうねりうねり
はるかな星々は漂いながら
喘ぐように点滅する


弧を描く流れ星は
揚力を失い
つぎつぎ落ちて
草むらを明るませる


ほらあそこに
迷い螢のように
ぼんやりと光ってる


ほらあそこにもー
星のかけらを取って食べると
まるでハッカ入りの氷砂糖
なんと涼しいことか


ぼくらは約束を忘れ
まる一日
遊び過ぎるぐらい遊んだ
さあもう家に帰って
父母を安心させよう


この夜のしじま
濃い闇に漂う神秘なジンに
魂を盗まれる前に