詩(16)

  夏の終わり


砂浜に座っていると 
海の向こうからやってくる 
鮫の歯並みが見える


波の上で 
突然 
黄色い友人の姿が消えた 


太陽がストップした 
海はこれまでになく沈みこむ


低い雲間から 
伸びた巨大な手が 
その上を漂い 
何かを探しつづける


海に突きでた
岬の海岸から 
制服の一団が駆けてくる 


何があったのか 
尋ねても誰も答えない
得体の知れぬ恐怖で 
記憶をなくしたらしい


海は暗く濁っていて 
ざざあっと 
ここまで高い波が寄せてくる 
どうやら出たな
噂の海坊主