夏の終わり
砂浜に座っていると
海の向こうからやってくる
鮫の歯並みが見える
波の上で
突然
黄色い友人の姿が消えた
太陽がストップした
海はこれまでになく沈みこむ
低い雲間から
伸びた巨大な手が
その上を漂い
何かを探しつづける
海に突きでた
岬の海岸から
制服の一団が駆けてくる
何があったのか
尋ねても誰も答えない
得体の知れぬ恐怖で
記憶をなくしたらしい
海は暗く濁っていて
ざざあっと
ここまで高い波が寄せてくる
どうやら出たな
噂の海坊主