散歩には恰好の春の宵だ。仲間を誘い寮を出ると、堀端の満開の桜のはなびらがそよ風に舞っている。 「いいねえ、この生暖かい風」と彼。 「そうだな、すこし暑いぐらいだ」と私。 堀端を過ぎ、左へ曲がると大学の門が見える。門のわきに、大きな銀杏の木が立…
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