チーコと私の病床日誌(48)

4月9日〔土)アイリスの花を独りで見るのは勿体ないし、蕗も食べごろだし、近所のSさんに取りに来てもらう。午後からは、アイリスを、知り合いの喫茶店に持って行く。コーヒーの味は、家のより薄かったが、人間嫌いの人の話を面白く聞いた。
4月10日〔日)裏の竹林の中の楠は、中ほどから、次男がチェーンソーで切って呉れたが、その幹から何本も伸びた新梢が気になっていたが、午後から、その太い枝を切り落とす作業をした。梯子を掛け、のこぎりで20本も切ったろうか。竹にひっかった枝を引き下ろすのにも手間取ったが、終わって、風呂上りに、スーパーで買っておいた秋刀魚を肴に飲むビールの味は格別だった。
4月12日(火)午前中にS病院の診察を受けてから、午後、花とおはぎ、お菓子を持って、ホームへ。妻は至って元気。先週見舞いに行かなかったことは、覚えていないよう。膝を揉みながら、(早く歩けるようになったらな)と言うと、(ホームの手摺りに掴まって歩く練習をしているよ)と、どこからそんな空想が出てくるのか。いつもの事ながら、今の自分の状況が判っていないのだろうか、と悲しく思う。